環境よもやま話:3
〜電気自動車はエコカー?〜
今環境問題が大きく取り上げられエコ〜と名のつくものが街にあふれております。しかし中には本当に環境の事を考えて製品化されたのではなく、ただ「エコ」と名付ければ売れるから造ったのではないか?と疑問を抱くものがあったり、ある面では環境に優しいけれど総合的に考えると???というようなものもあります。
今回電気自動車について考えてみたいと思います。
電気自動車の一番のメリット、それは燃料に石油を使わず(石油資源の確保)排気ガスを出さない(大気汚染にならないい)事でしょう。
しかし自動車を動かす電気、これはどこから来るのでしょう?発電所ですよね、発電所では石油を燃やしたり、原子力を使ったりして電気を造っています。自動車が排気ガスを出さない分火力発電所で出しています。では排気ガスのことを考えて原子力発電所(放射能漏れや放射性廃棄物の処理問題を抱えています)を増やすべきなのでしょうか?環境や安全の事を考えると???ではないのでしょうか。また物理的なエネルギーコスト面から考えてみても、一度石油を燃やして発電し、その電気を移送して車にチャージするよりは、直接エンジンの中で石油を燃やした方が優位であると思います。
もし電気自動車を実用化し普及させるのであるならば、使用者各自が太陽光発電や風力発電等石油に頼らない電気を造り、自分の車にチャージするというシステムを確立しない限り、地球規模の総エネルギーバランスから考えるとあまり賢い方法ではないでしょう。
また電気自動車のもう一つの問題、これはガソリンタンクに当たるパーツが電気をチャージするバッテリーであるという事です。バッテリーはプラスチックのケースに鉛と硫酸が入っています。従来の自動車はこのバッテリーが一つですが、電気自動車にはかなりの数のバッテリーが搭載されます。鉛は有害物質であり、硫酸も危険物です。これを大量に持っている車があちらこちらを走り回っている光景、考えたくありません。
今より高性能で有害物質や危険物を使わないバッテリー、この開発が必至であると思います。
このように環境問題は色々な方面からマクロ的な視野でとらえていかないとバランスの悪いものとなります。