環境よもやま話:6

〜産業廃棄物は悪者?実状編〜

産廃業者が許可制である事は前回お話致しましたが、当然なぜそのような選ばれた業種でありながら不正が行われているのか?という疑問が起きると思います。
今回はそのところをお話致します。
よく話題になる不法投棄の問題、これを行っている者の多くは無許可業者であります。元々許可が無いので不正を行って免許取り消しになるという心配はありません。ごく一部の許可業者で不正を行っているのも事実ですが・・・
不法投棄の元々の原因はコスト(すなわち処理料金)です。誰でもゴミ処理に高いお金を払いたくありません。しかしながら適正処理を行うとなると、産業廃棄物は特別なものである為、それなりのお金がかかります。中にはその事をたてに不当に高い処理料金を設定している業者のある事も事実で、「産廃処理は高い」というイメージがあります。
また処理業者側でお客様との引き取り上で競合にかけられやむなく処理料金を安くする業者がいる事も事実です。適正処理が出来ない安い処理代で引き取った処理物、野積みにするか山奥にこっそり捨てるかしかありません。
確かに不正を行う悪徳業者は悪いです。しかし元々産廃は排出事業者責任のあるものです。悪質業者に処理を依頼する事の責任は最近になって問われる様になってきましたが、この点行政の対応が遅いような気がいたします。
前回の話で産廃業者には運搬業者と処理業者がある事を述べましたが、不法投棄に絡む業者はほとんどが運搬業者(もちろん無許可業者が大半です)です。
では処理業者に問題は無いのかというと、必ずしもそうとは言えません。
なにせ扱っている物がゴミです、臭いや処理装置の振動や騒音、工場から出る排気ガスや煤煙、一般住民の方が不愉快な思いを抱かれる要因が多すぎます。
そのような現状の中で処理業者に対する排出基準が年々の様に厳しくなってきておりそれに対応すべく業者は設備投資を行い日々の業務を行っておりますゆえいざとなったら雲隠れというような事は出来ません。地域住民の方々のご理解を頂きつつ真面目に仕事をするしか方法が無いのです。この点に関しても初めから工業団地内で操業している業者はともかく、以前は何もないところで操業していたところ、いつの間にか周辺が住宅地になり、隣に民家が建ち苦情を頂くようになってしまったと言う話をよく耳にいたします。このケースなども、行政の地域開発の段階での配慮があれば、もっと違った結果が得られたのではないかと残念です。