環境よもやま話:7
〜産廃業者は悪者?行政編〜
今回は一般の方々がご存じない行政がらみの悩みを述べたいと思います。
私共産業廃棄物業者は特殊な職種である為に色々な規制制限を受けております。
まずは許可事業である為5年に一度の更新手続きが必要で、様々な書類審査、処分業では現地調査が行われます。当然かなりの手数料が必要ですし、何よりも大変なのが仕事を行う各自治体ごとに許可や申請が必要なのです。私たちのおります千葉県では県と政令都市2件で合計3件が必要です。関東圏だけで数十の申請が必要ですせめて各県だけにしていただきたいものです(お金欲しさにやっているのではないか?と疑いたくなります)。しかも申請書類は基本的には大体同じ形式ですが、各自治体によって微妙に違いがあり同じ申請書のフォーマットでパソコンを使って各自治体の申請書を作る事が出来ません(全国統一をして頂きたいものです)。
そして産廃には通常の産業廃棄物(一般産廃)とそれより特殊性の高い特別管理産業廃棄物(特管)があり、当然許可も別々であります。常識論また実際の作業運用面からみても特管は一般に連続するものであり、特管処理の技術があれば一般処理は十分に対応出来るものでありますが、特管の許可では一般産廃の取扱が出来ず、必然的に二つの許可が必要です(例えば酸アルカリの強いものは特管、弱いものは一般許可が必要ですが、特管の許可では弱い酸アルカリの取扱が出来ません、おかしくないですか?)従ってやむを得ず二つの許可を持つ事になり当然全ての手間やかかる費用も二倍になります。(ほとんどの免許では上位の免許があれば下位の免許は同一化されるのに産廃だけは違うんですね)
そしてほとんどの方々がご存じないと思われる厳しい法律が産廃業者にあります。
元々廃棄物関係で不正を行う人や業者は暴力団関係が多かった為に、一般人には考えられない法のしばりがあります。それは会社の役員及び株主が警察のお世話になるような事が生じた場合、当人の所属する会社(兄弟会社も)の産廃許可が全て取り消されるというものです。
実際に起きた事例で、休日の家族サービス中に交通事故を起こしたら、許可取り消しになり会社がつぶれたという話があります。
たとえ仕事から離れたプライベートタイムであっても関係はないのです。業者仲間が集まると冗談交じりに「夫婦げんかも出来ないし、飲み屋にも行けない」と愚痴が出る状態です。
当然私共の業界でも法律の施行後「あまりにも非道いので、せめてプライベートタイムだけでも別扱いにしてもらいたい」との申し立てを致しましたが、決まったばかりの法律は直ぐに変えられないとの返答でした。
一部の暴力団絡みの業者を取り締まる為に、大多数の一般人である私共の業界を暴力団並に厳しい規則をかける行政のあり方に責任逃れの様なものを感じます。